まぐ太のイケリーマン奮闘記!

平凡サラリーマンがイケてるサラリーマンを目指す奮闘記です!

民間金融機関で無利息型融資が取扱開始。

以前から「民間金融機関で無利息融資を始める」といった報道がされていました。

この背景にはコロナウイルスによる影響を受けた事業者に対し、無利息融資ができる金融機関は”日本政策金融公庫のみ”であったことが大きく関係しています。コロナウイルスによりさまざまな需要が蒸発し、事業継続の見通しが不透明な中で、多くの事業主は「できる限り金利負担が少ない方法で資金調達をする」というのは当然のことです。

その結果、日本政策金融公庫には連日申請が殺到し、融資実行までの期間が長期化してしまいました。これでは「迅速な資金供給」という役目は果たせないということで、民間金融機関による無利息融資を検討していました。

先日の令和2年度補正予算が決定し、正式に民間金融機関でも無利息融資が開始となりました。

 

それでは内容を見ていきましょう。

※東京都以外の自治体でも無利息融資を対応している可能性がありますが、ここでは東京都で事業を営む方向けのみのご紹介とさせて頂きます。

無利息型融資は東京信用保証協会付融資となります。よって金融機関と保証協会の審査があります。

無利息融資の特別な商品がいくつも出るわけではありません。

1つだけ「感染症全国」という新しく商品ができますが、その他の無利息型融資については既存商品である「感染症対応」「感染症借換」「危機対応」の3つの商品が”改定された”イメージです。

無利息型融資は4つのラインナップになっています。

それぞれ条件が違ってくるので、うまく使い分けることで、よりメリットを出せそうです。

無利息の期間は3年間

「無利息融資」とは呼ばれていますが、無利息である期間は決まっています。

無利息の期間は3年間です。4年目以降は金利の支払が発生します。4年目以降の金利については、融資申請する企業の財務内容や返済期間、各金融機関の審査によって異なります。

東京信用保証協会のHPによると、各制度による金利の上限は、返済期間によって異なりますが、下記のようになっています。

  • 感染症全国:1.7%~2.2%以内
  • 感染症対応:1.5%~2.4%以内
  • 感染症借換:1.5%~2.2%以内
  • 危機対応:1.5%~2.0%以内

各商品とも”以内”となっております。上記以上の金利には設定できないと考えられます。この金利からどこまで低くなるかは、企業の財務内容及び各金融機関の審査次第といったところだと思われます。

www.cgc-tokyo.or.jp

 

 

いくらまで使えるのか?

無利息融資には利用上限額があります。

上記4つの商品(感染症全国・感染症対応・感染症借換・危機対応)の総利用額1億円が上限です。

今回の商品には”優先順位”があるようです。感染症全国の該当要件を満たす(セーフティネット保証もしくは危機関連保証が取得できる)事業主は、感染症全国から利用することになります。(もちろん同時申請も可能です。)

感染症全国については上限が3,000万円です。3,000万円超を申請する場合には、他の3つの商品との併用にて調達することになります。

個別の事例については下記に「活用の具体例」を記載しましたので参考にしてみてください。

 

 

返済期間は?

  • 感染症全国:運転資金・設備資金ともに10年以内(元金据置5年以内)
  • 感染症対応:運転資金10年以内、設備資金15年以内(運転資金・設備資金ともに元金据置5年以内)
  • 感染症借換:10年以内(元金据置5年以内)
  • 危機対応:10年以内(元金据置2年以内)

 返済期間については変更はありませんでしたが、元金の返済を据置できる期間が長くなりました。感染症対応・感染症全国・感染症借換については元金据置は最長で5年。危機対応については最長で2年となっています。

 

 

 セーフティネット保証・危機関連保証との関係は?

では資金繰り支援策として最初に打ち出された「セーフティネット保証」や「危機関連保証」と今回の無利息型融資の関係性はあるのでしょうか。

結論から言うと「関係大アリ」です!

上限が3,000万円の「感染症全国」は、申請要件に「セーフティネット保証もしくは危機関連保証の市区町村の認定証」があります。よって前年同月比で売上高が15%以上下落(または緩和要件に該当)している企業や個人事業主は、感染症全国を併用した調達になります。

また、審査面においても、セーフティネット保証や危機関連保証を併用した方がプラスになります。

セーフティネット保証・危機関連保証は、東京信用保証協会を利用する際に”別枠”として考えられます。それ以外の保証協会利用分については「一般保証」という枠組みの中で利用していることになっています。一般保証枠は無担保で原則8,000万円が上限です。企業規模によってはそれ以上利用することも可能ですが、原則は8,000万円までとなっています。

つまり無利息型融資1億円を調達しようとすると、利用している保証協会付の融資残が0円であっても、無利息型融資の申請の時点で一般保証枠の上限原則8,000万円を超過していることになります。既に一般保証枠にて利用している融資残高があれば、残高も合算されるためハードルはその分高くなることが考えられます。

であれば、セーフティネット保証・危機関連保証を活用した方が「別枠扱い」となるため審査にはプラスの材料になるというわけです。

セーフティネット保証の該当要件

4号:売上高が前年同月比で20%以上減少

5号:売上高が前年同月比で5%以上減少、国の指定業種であること

危機関連保証の該当要件

売上高が前年同月比で15%以上の減少

※上記はあくまで一般的な該当要件です。現在は該当要件が緩和されています。詳細はこちらを参考にしてください。

 

www.magta.net

 

 

活用の具体例

では個別のケースを想定して、具体例をあげていきます。

セーフティネット保証や危機関連保証の認定証を市区町村で取得した場合は「感染症全国」から優先して利用していきます。3,000万円超の場合は2口での申請とまります。そういったケースも想定し、いくつかのパターンを記載していきます。(すべての事例を網羅しているわけではありません。)

 

  • 3,000万円の新規調達の場合

方法は2つあります。

  1. 別枠で申請(市区町村の認定証を取得)
  2. 一般枠で申請

1.の別枠で申請する場合は、はじめに市区町村の認定証を取得してください。この場合は「感染症全国」を利用した調達となります。

2.は一般保証枠で申請します。

上記に記載した通り、”審査面”や”今後の資金調達を踏まえ一般保証枠を空けておく”といったことから考えると、該当する場合は市区町村の認定証を取得した方がいいでしょう。

 

  • 5,000万円を新規調達する場合
  1. 感染症全国(別枠)3,000万円+別枠2,000万円
  2. 一般枠5,000万円

3,000万円の調達をする場合と同様に、セーフティネット保証や危機関連保証の該当要件を満たすようなら、認定証を取得して感染症全国を併用する方法がお勧めです。

該当要件を満たしていない場合は、一般枠にて5,000万円を申請します。

 

  • 1億円を新規調達する場合
  1. 感染症全国3,000万円+別枠7,000万円
  2. 一般枠1億円

1.は認定証を取得し、感染症全国を併用する方法です。この場合は感染症全国の3,000万円で利用する枠と別枠での7,000万円の枠を分けておくとより審査面でプラスになるかと思います。感染症全国ではセーフティネット保証枠、別枠では危機関連保証枠など。

上記の方法はセーフティネット保証の該当要件(売上高が前年同月比で20%以上の下落など)を満たしていれば可能です。しかし売上高が前年同月比で”15%以上20%未満”の場合にはセーフティネット保証の該当要件は満たしておらず、危機関連保証の該当要件のみ満たしている形となりますので、そのような場合には

感染症全国3,000万円(危機関連保証枠)+危機対応7,000万円

で申請するのが良いかと思います。「無担保枠8,000万円」というのはあくまで原則になりますので、8,000万円以上の金額で申請しても審査が通る可能性は0ではありません。

2.はセーフティネット保証・危機関連保証の該当要件に当てはまらない場合は、一般保証枠にて1億円を申請する方法です。可能性は0ではありませんが、申請時点で一般保証枠を既に利用している場合は、利用残高によっては減額などの可能性もあり得ます。

 

  • 1億5,000万円を新規調達する場合
  1. 感染症全国3,000万円+別枠7,000万円+別枠5,000万円
  2. 感染症全国3,000万円+別枠7,000万円+一般枠5,000万円

1.はセーフティネット保証・危機関連保証を取得した場合に利用できます。2つの認定証を取得することで、保証協会の別枠が1億6,000万円(セーフティネット保証8,000万円、危機関連保証8,000万円)まで拡充されます。それぞれの保証枠を活用して申請します。

2.は危機関連保証のみ取得した場合です。感染症全国と別枠で1億円の調達を申請し、差額5,000万円は一般保証枠で申請します。仮に別枠申請が減額された場合、減額された金額を一般保証枠に上乗せして申請する方法もあります。

 

  • 5,000万円の既存保証協会分を借換し、3,000万円を新規調達する場合
  1. 別枠にて既存5,000万円を借換+感染症全国3,000万円
  2. 別枠で8,000万円を調達し、既存5,000万円を返済

1.では既存の保証協会利用分を別枠にて借換し、新規調達分は感染症全国にて3,000万円を調達します。

2.では最初に返済する金額5,000万円と調達する金額3,000万円の総額8,000万円を調達します。8,000万円が入金されると同時に5,000万円を返済します。調達総額は8,000万円ですが、5,000万円を完済し手元資金には3,000万円が残ります。

1.2のどちらを選択しても、返済期間が同じであれば返済額等も変わりません。借換分と調達分を異なる返済期間に設定していく場合には1での方法になります。

セーフティネット保証・危機関連保証の該当要件に当てはまらない場合は、1.2の方法をそれぞれ一般保証枠で申請する方法となります。

 

  • 5,000万円の既存保証協会口を借換し、5,000万円を新規調達する場合
  1. 別枠にて既存5,000万円を借換+感染症全国3,000万円+別枠2,000万円
  2. 別枠にて1億円を調達し5,000万円を返済

1.の場合ではセーフティネット保証と危機関連保証のどちらも取得していると、より良いかと思います。それぞれの原則の保証額枠内にて申請することで審査面でもメリットが出せます。

1.2ともに先ほどの「5,000万円の既存保証協会分を借換し、3,000万円を新規調達する場合」と同様になります。

 

 

終わりに

各企業によって現在の借入状況などが異なるため、詳細は取引金融機関にお問い合わせ頂くのが一番です。借換の商品についても、今利用している保証協会の”責任共有制度”によっては、「一本化できない」といった例も出ています。

また、国や東京都の制度だけではなく、各市区町村でもコロナ対応融資の商品を開発しているものも出てきているようです。希望額や期間によっては市区町村の制度融資の方が使い勝手や条件が良いケースもあります。

現在は政策金融公庫や商工中金といった政府系金融機関のみならず、民間金融機関や保証協会への相談も増えており、通常より時間を要しているようです。

 少しでも資金の調達を検討しているようであれば、早めに相談してみる方がいいかもしれません。

 

 

条件の緩和! セーフティネットの要件緩和が実施

  

新型コロナウイルスの感染が国内で広がっています。44の都道府県で感染が確認され、日に日に感染者が増加傾向です。

 

企業への支援策も毎日のように新しい情報が出ています。

今回は以前ご紹介した、「セーフティネット保証」の該当要件が緩和されたことについて書いていきます。

まずセーフティネット保証とは、経営の安定に支障をきたしている中小企業が市町村の認定を受けることで、一般保証とは別枠で利用できる保証制度です。

詳細は以前の記事をご覧いただければ幸いです。

 

www.magta.net

 

今回のコロナウイルスではセーフティネット保証4号と5号が認定されています。それぞれ該当要件が異なり、どちらかの要件に当てはまればセーフティネット保証として一般保証枠とは別に保証協会付融資を申請することが可能となります。

今回はこの該当要件の”緩和”が行われました。

当初の該当要件では、「実際に売り上げが落ちているのに使えない!」といった個人事業主や中小企業経営者の人がいても、要件に該当せず使えませんでした。せっかく制度を作っても肝心の「必要な人」に資金が供給されないのであれば意味がありません。

そんな事象を回避し、本当に必要な人こそ利用できるようにと今回の該当要件緩和が行われました。 

では緩和内容を見ていきます。

 

緩和内容

1.対象事業者

  • 創業間もない方でも業歴が3か月以上あればOK
  • 前年以降に店舗増加等で単純な売上比較だけでは認定が困難でもOK

上記の内容に当てはまればセーフティネット保証に申請できるようになりました。今までは「創業1年以上」でないと申請ができなかったり、「昨年に店舗を増やしたから売上が直近月までは上がっている。でも今月からぱったり…」といった事業者でも申請ができるように間口が広がりました。

2.認定基準

認定基準についても、緩和がされより多くの事業者が利用できるようになりました。

 

緩和前

「直近1ヶ月の売上高等と前年の同月を比較+その後2ヶ月間(見込み)を含む合計3ヶ月の売上高等と前年の同期間を比較」

この条件を実例に例えると、2020年3月の売上と2019年3月の売上を比較し、

20%以上下落→セーフティネット4号

5%以上下落→セーフティネット5号

”かつ”今後の2020年4月5月を含めた3月~5月の売上見通しが、2019年3月~5月の売上見通しよりも20%以上の下落もしくは5%以上の下落がセーフティネット保証の該当要件でした。

これでは前年同月が一過性の要因により売上が低い場合などでは該当要件を満たすことができませんでした。

しかし今回の該当要件緩和により、単に前年同月比と比較するのではなくコロナウイルスの影響により業況が悪化しているのであれば取り扱いができるように、認定基準が3つ定められ、3つのうちの1つでも該当しているようであればセーフティネット保証が申請できるようになりました。

 

緩和後

  • 直近1ヶ月の売上高等と、直近1ヶ月を含む最近3ヶ月間の平均売上高等を比較
  • 直近1ヶ月の売上高等と、令和元年12月の売上高等を比較+その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高等と、令和元年12月の売上高等の3倍を比較
  • 直近1ヶ月の売上高等と、令和元年10~12月の平均売上高等を比較+その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高等と令和元年10~12月の3ヶ月を比較

上記3点のうちどれかにでも当てはまるようならば、セーフティネット保証の対象となるため、今まで対象とならなかった方々については、改めて該当要件に当てはまるか精査して頂き再度検討してみてはいかがでしょうか。

 

実際に私の知り合いの企業でも、昨年に創業したことで、創業当初は取引先も少なく売上も少なかったため、緩和前の条件には当てはまりませんでした。しかしこのセーフティネット保証の条件緩和が行われたことで、事業が軌道に乗り始めた昨年12月との比較ができるようになり、セーフティネット保証の該当要件を満たすことができました。現在は取引金融機関と打ち合わせを行っています。

 

他にも「先月まではコロナウイルスの影響がなく、前期比以上の業績で推移しているが、今月は急に業績が落ちている。そのためセーフティネットの該当要件に当てはまらない」といった企業や「昨年の同月はたまたま仕事が薄くて売上が上がっていない」といった企業でも、緩和後の該当要件に当てはまる可能性があるかもしれません。

 

セーフティネットのご活用を検討している方は、緩和後の該当要件もよく照らし合わせて頂くと、うまく活用ができるようになるかもしれません。

 

市区町村によっては、HPに緩和後の申請書が準備できていないところもあります。

その際には担当部署に問い合わせをすると、柔軟に対応してくれます。

 

 

↓下記サイトは経済産業省の参考資料です。↓ 

https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200311007/20200311007-4.pdf

 

経済産業省HP↓

 

www.meti.go.jp

 

 

 

既存借入の見直しはできるのか? 借換専用商品の内容と活用方法

  

COVID-19の感染が世界177か国の地域に広がり、世界全体での感染者は累計で82万人を超え死者は4万人を上回っています。

 

中小企業の資金繰り支援策において、新しい商品がリリースされました。

前回の「感染症対応」同様に東京都の制度であるため、東京信用保証協会を利用することが必要となります。

感染症対応」についてはこちらを参考にしてください。

 

magutann.hatenablog.com

 

新制度の名称は「感染症借換」です。

感染症対応との大きな違いは、”新規融資は出ない”ということです。

「え?どういうこと?」という方も多くいるかもしれません。この制度特徴は”借換”です。つまり既存でご利用している融資に対して効果を発揮します。そして既存の東京信用保証協会の制度融資を複数利用している企業ほど、その効果は大きくなります。

 

まずは制度概要から説明していきます。

感染症借換概要

対象企業

  1. 新型コロナウイルス感染症により事業活動に影響を受けていて、「最近 3 か月間(申込月の前々月を含めること。)の売上実績」又は「今後 3か月間(申込月の翌月を含めること。)の売上見込」が令和元年 12 月以前の直近同期と比較して、5%以上減少していること。
  2. 保証協会の保証付融資を利用していて、事業計画を策定し資金繰りの安定化や経営改善に取り組むこと。

↓下記資料の提出が必須です↓

該当届

http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/chushou/086bbbc75b7167e9616c4ac65be2208a_1.pdf

事業計画書 

http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/chushou/b3e06f7b08238dfdd210bf785219e813_1.pdf

 

 

融資期間

運転資金 10 年以内(据置期間 2 年以内を含む。)

 

融資利率

責任共有対象外

3年以内  1.5%

5年以内  1.6%

7年以内  1.8%

10年以内   2.0% 

 

責任共有対象

3年以内  1.7%
5年以内  1.8%
7年以内  2.0%
10年以内   2.2% 

 

信用保証料

原則全額を東京都が補助

※但し元金返済が1年未満の場合は2/3

 

東京信用保証協会のページです↓

https://www.cgc-tokyo.or.jp/cgc_covid-19_info_2020-3.pdf

 

制度のポイント

はじめに書きましたが、この感染症借換のポイントは、”既存の融資について効果を発揮する”ものです。

例えば現在返済している保証協会付融資が3本あるとします。それぞれ融資を受けた時期や金額、返済期間がことなるものを、感染症借換にて「まとめて、返済期間を長期間に設定し組みなおす」ことが可能となります。

 

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借換イメージ

上の図について説明すると、既存借入は3つの金融機関からそれぞれ一本の融資を利用しており、毎月の返済額は390千円となっています。

この3本の信用保証協会付の融資を、ひとつの金融機関てまとめて期間を10年間で組みなおすことで 、毎月の返済額を150千円に圧縮できます。これはそれぞれバラバラだった返済期間を「10年」という期間を再度設定することで可能となります。

特に複数の金融機関との利用実績がなくても、ひとつの銀行から複数本利用している場合も有効です。すべてのお借入れを1本にまとめずとも、少なからず効果はあります。

 このように借換には「毎月の返済額負担を軽減する」という効果があります。

 

今回の「感染症借換」にはもう一つの効果があります。それは「保証料補助」です。前回ご案内した「感染症対応」と同じように東京信用保証協会へ支払う保証料は、全額東京都が負担がしてくれます。つまり本件における借換の保証料は無料になることに加え、既存の借入をする際に支払っていた保証料については、借換により事前完済となるため保証料の返戻を受けることができます。

保証料の支払いについては、該当する融資を実行(通帳へ入金すること)する際に、差し引かれている場合が多いです。この保証料は当初の審査で決定した期間分として計算されています。(当初期間が5年なら5年分の保証料となっています。)それが借換により当初定められた期間よりも早く完済となるため、残りの期間分についての保証料が返戻されるというわけです。(当初期間5年の融資を借換により3年目に完済すると、残期間の2年分についてが返戻される)

よって

  • 毎月の返済額負担の軽減
  • 保証料の返戻

これが本制度を活用するメリットです。

 

注意してほしいこと

複数の金融機関で利用している保証協会付融資をまとめる場合には、完済する予定の融資を出している金融機関の「借換同意書」を提出してもらう必要があります。

借換同意書とは「事前に完済する金融機関には承諾をもらっていますよ」といった証明書のようなものです。この借換同意書がないと保証協会は審査すらしてくれません。

金融機関によっては借換同意書の発行に時間を有する場合もありますので、時間的な余裕をもって取り組まれるといいかと思います。

 

 

もし自社に当てはまるようなケースがあれば、お付き合いのある金融機関にご相談してみてはいかがでしょうか。

 

今後も新たな制度や動きがあればお伝えしていきます。 

民間への資金繰り相談はどうする? 東京都の制度融資が新設

 

まだまだ感染拡大が続いている新型コロナウイルス。11日にはWHOがパンデミックを表明しました。

世界経済にも大きな影響を与え、日本経済についても日々深刻化しているような状態です。公的機関窓口への企業からの相談件数は3万件に達し、観光業・飲食業だけでなく製造業を含む幅広い業種に影響が広がっています。

日本政府においても日々資金繰り支援を含む経営支援策を打ち出しています。

 

東京都でも、新型コロナウイルス感染症により事業活動に影響を受けている東京都内の中小企業者及び組合の方々向けに、事業継続や経営の安定を図るため「新型コロナウイルス感染症対応緊急融資(略称:感染症対応)」の取扱いを開始しました。

 

これからご紹介するのは、日本政策金融公庫などではなく民間金融機関(銀行や信金など)で取り扱っている資金繰り支援策となります。

すでに取引のある金融機関がある場合には、併用して相談してみてはいかがでしょうか。

以下、商品内容を記載していきます。 

 

新型コロナウイルス感染症対応緊急融資(略称:感染症対応)」

制度内容

1.対象資金

    運転資金・設備資金ともに利用が可能 

2.融資期間

    運転資金 10年以内(据置期間2年以内を含む)

    設備資金 15年以内(据置期間3年以内を含む)

3.融資利率

  【固定金利】(責任共有制度の対象となる場合)

    3年以内        1.7%以内

    3年超5年以内    1.8%以内

    5年超7年以内    2.0%以内

    7年超10年以内     2.2%以内

    10年超                  2.4%以内

 

      【固定金利】(責任共有制度の対象外となる場合)

             3年以内                    1.5%以内

             3年超5年以内           1.6%以内

             5年超7年以内           1.8%以内

             7年超10年以内         2.0%以内

             10年超                      2.2%以内

 

東京信用保証協会の商品案内↓

https://www.cgc-tokyo.or.jp/leaflet/cgc_shingatakoronakinkyuyushi_leaf_2020-3.pdf

 

 

該当要件

新型コロナウイルス感染症により事業活動に影響を受けており、かつ

  • 「最近3か月間の 売上実績」又は
  • 「今後3か月間の売上見込」が令和元年12月以前の直近同期と比較して 5%以上減少している中小企業者

 

必要書類

通常の東京保証保証協会への申込書類に加え、以下の書類が必要です。

↓ここからダウンロードできます↓

http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/chushou/ca34d6d16aae5b46132a304c2c464389.pdf

  •  融資対象であることが確認できる書類(試算表、帳簿の写し等)の写し

 

 「感染症対応」のポイント

1.セーフティネット4号・5号との併用

以前ご紹介した「セーフティネット保証4号」、「セーフティネット5号」と併用することが可能です。セーフティネット保証4号の条件を満たしている企業であれば、市区町村の認定証を提出することで「責任共有制度の対象外」(万が一倒産等に陥っても、金融機関は東京信用保証協会から全額返済してもらえる)となり、金融機関も前向きに検討してくれるほか、金利面での優遇と一般保証枠とは別枠での取り扱いになります。

但し、セーフティネット5号については責任共有制度の対象(万が一の場合には東京信用保証協会が債務額の80%を負担し、金融機関が20%を負担)となるため注意が必要です。

 

2.保証料負担なし

本制度融資については、保証協会に支払う保証料は”全額”東京都が補助してくれるため、保証協会利用時に懸念事項となる保証料負担がありません。

通常の場合ですと融資期間を長く申請すると、その期間分の保証料が先取りとなります。しかし本商品では全額を東京都が補助してくれるため、短期間で申請しても、長期間で申請しても、どちらも自己負担分はありません。そのため長期間の返済計画を立てることができ、一定額を調達しつつ毎月の支払いを軽減することにも繋がります。

 

3.一般保証

上記項目番号1番でも説明したように、本制度はセーフティネット保証4号・5号の「市区町村の認定証」がなければ一般保証枠内での取り扱いとなります。よって既に一般保証での融資利用額が多くなっている場合は、審査が厳しくなる場合があります。

セーフティネットの認定証を市区町村が発行してくれるまでに、一定期間を有するため、緊急性の高い場合には一般保証にて申請するのもありかもしれません。

 

この3つのポイントを考慮すると、「セーフティネット保証4号」と「感染症対応」の併用が最もメリットが大きいです。

併用することで、金利優遇・別枠保証・保証料補助という3つの優遇を受けることが可能となります。もしセーフティネット保証4号の該当要件を満たしているのであれば、本制度との併用をご検討いただけるといいかもしれません。

 

改めて注意点を書いておきますが、本制度は”東京都”の制度であり、本社登記地が東京以外の企業や、個人事業主の方は該当する信用保証協会及び自治体の制度融資を活用することになりますので注意が必要です。

 

具体的に相談をご検討される場合は、すでにお取引のある金融機関等にご相談するとスムーズに申請できると思います。

 

 

休業、そのとき従業員対策はどうする? 雇用調整助成金実施

 

日本経済が直面している新型コロナウイルスの影響を受けて、色々な対応策が矢継ぎ早に発表されています。

先日は資金繰り支援策として打ち出された「セーフティネット保証」についてお伝えしました。

 

magutann.hatenablog.com

 

 

magutann.hatenablog.com

 

セーフティネット保証は融資であるため、将来の事業回復を見込んで、当面の運転資金の確保などに効果を発揮します。しかしながら当然にその後は調達した資金の返済が伴います。

今回は未曾有の事態であり、先行き不透明な状態が続くことが想定されますが、返済計画についてはよく検討してから調達を必要があるかと思います。

 

今回は「雇用調整助成金」について書いていきます。

厚生労働省は、この度の新型コロナウイルスの影響を受け、雇用調整助成金の特例の実施を発表しました。

以下、内容を書いていきます。

 

雇用調整助成金とは?

雇用調整助成金とは、災害などに起因する事象(今回の場合ですと新型コロナウイルス)により事業活動の縮小を余儀なくされた企業や事業主が、自社の従業員(正社員や派遣社員も含む)に対して一時的な教育の訓練や休業、出向といった雇用状態の調整にあたる措置を行うことで、従業員等の雇用維持に取り組んだ場合には、それに伴い発生した休業手当や賃金の一部を国が助成してくれるというものです。

従業員の雇用維持を図る事業主に対して国が助成をすることで、企業で働く従業員の失業予防や雇用の安定を目的としています。

企業や事業主は、雇用調整助成金の受給要件を満たすことで、対象となる従業員1人につき8,335円を上限に受給することができます。その助成された資金を従業員に支給していくことになります。

これは最初に書いたセーフティネット保証などの融資ではなく”助成金”となりますので返済する必要はなく、ひと言でいうと”もらえるお金”になります。他に有名なものですと「ものづくり補助金」などがあります。

今回のコロナウイルスのような事態に関わらず、良い企業はうまく国や自治体の制度を活用しているように思えます。

事業継続に最も重要な資金繰りを考慮しつつ、次の成長への投資を行わなければならい事業経営のなかで、雇用調整助成金のような制度を活用するのもひとつの方法であると僕は考えます。

 

 では、どのようにすれば助成金を受け取ることができるのでしょうか?

以下より詳しく見ていきます。

 

受給要件

はじめに雇用調整助成金の申請するにあたり、下記の要件を全て満たすことが必要です。

  1. 申請する企業や事業主が、雇用保険の適用企業や事業主であること。
  2. 売上高や生産量などの経済活動を表す指標について、その最近3ヶ月間における単月の平均値が、前年の同じ時期と比較して10%以上減少していること。
  3. 雇用保険の被保険者数及び、受入れをしている派遣労働者数などの雇用量を表す指標について、最近の3ヶ月間における単月の平均値が前年の同じ時期と比較して、中小企業(業種により中小企業の定義が異なるため注意)の場合には10%超”かつ”4人以上中小企業以外の場合には5%超”かつ”6人以上の増加がなされていないこと。
  4. 実施予定の雇用調整(休業や出向等)が、定められている一定の基準を満たすものであること。 
  5. 以前に雇用調整助成金の受給実績のある企業や事業主が、今回新たに申請する場合には、直前の対象期間満了の日の翌日から起算して1年を超えていること


受給額

続いて「いくらもらえるのか」といった助成金額を見ていきます。

助成額

大企業:1/2

中小企業:2/3

※助成額は従業員1人につき日額8,330円が上限です。

※教育訓練を実施したときの加算(額)は企業規模を問わず、(1人につき1日当たり)1,200円となっています。

 

特例措置について

今回のコロナウイルスの影響を受けて、雇用調整助成金の特例措置が取られています。内容は以下の通りです。

この特例措置を適用するには、休業等を実施する最初の日が令和2年1月24日から7月23日までといった制限がありますのでご注意ください。

【特例措置の内容】

  1. 休業等の計画書について事後での提出が令和2年5月31日まで可能。”事後提出”となったことが大きな点です。
  2. 生産量指標(売上高等の10%減少)の確認対象期間を3か月→1か月に短縮。
  3. 前年と比べて雇用者数の指標(最近3か月の平均値)が増加している場合も対象となった。
  4. 事業所の設置後、1年未満の企業や事業主でも対象となった。

今までの要件よりも間口を広げより活用しやすくなっています。

自治体の長が一定期間の緊急事態宣言を発出 して活動の自粛を要請している地域については、さらに一歩踏み込んだ特例措置が取られています。

 

↓以下参照資料です↓

https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000603338.pdf

 

申請手続き

雇用調整助成金を受給するには、以下の手順で受給手続きに取り組んでいきます。

  1. 雇用調整の実施に向けて、具体的な計画の作成
  2. 上記1で作成した、雇用調整の計画書を労働局またはハローワークへ提出
  3. 上記1の雇用調整計画書に基づいた、雇用調整の措置を実施
  4. 上記1の雇用調整の実績に基づいた、支給申請書を労働局またはハローワークに提出
  5. 労働局による雇用調整助成金の支給に関する審査
  6. 雇用調整助成金支給の決定

 雇用調整計画書を提出する際には、雇用調整助成金専用の計画届が用意されていて、必要事項を漏れなく記入することが必要です。その計画書はインターネット上からダウンロードすることができます。

 

まだまだ終息の兆しが見えない今回のコロナウイルスの影響を受けて、この雇用調整助成金について今後も、該当要件や補助率などの仕様が変わる可能性も考えられます。

詳細は最寄りの労働局へお問い合わせをお願いします。

雇用調整助成金 |厚生労働省

 

いかがでしたでしょうか? 

実際にリーマンショック時に、雇用調整助成金を申請した企業は多くあり、「従業員の雇用を守ることができた」といった感想を聞くことがあります。

しかしその反面で「申請手続きが煩雑で諦めた」「計画書の作成や、受給の審査が大変で労働対効果に合わなかった」といった話を聞くのも事実です。

顧問の社会保険労務士の先生がいる企業や事業主は、先生直接聞いてみることが一番でしょう。

社会保険労務士の先生がいない企業や事業主にとって雇用調整助成金は、確かに色々と準備する資料もあり、そもそも中小企業では雇用契約書や就労規則を定めていない企業も少なくありません。このような場合には資料を準備する(作成する)ことでさえ、多くの時間を要する重労働となります。

しかし、働き手が少なくなっている、そしてこれからも少なくなることが予想される日本では従業員の確保は経営側からしても重要なファクターの1つのはずです。

今回のように景気が冷え込んだ際には、売上高が伸びないなかでも人件費は払わなくてはならず、資金繰りを圧迫する1つの要因になるかもしれません。しかしいくら省人化や機械化が叫ばれている今日であっても、まだまだ人の手を介さないとできないことも多いはずです。

このような施策を活用する際に、せっかくですから社内の既制度を見直して改善をしていきましょう。その取組が将来の離職率の低下や、長期就労の定着にも繋がるはずです。離職率が下がり定着率が上がれば、労働者や就職希望者からの目線では企業の魅力は上がっているはずです。

こんな時期だからこそ、雇用の安定化を図ってみてはいかがでしょうか。

今後のコロナウイルスの影響次第では、制度が利用しやすく改善される可能性もあるかと思います。その時にスムーズに申請できるように今から準備しておくのもいいかも

しれません。

 

 

今後も参考になるような支援策をご紹介していきたいと思います。

セーフティネット保証とは? 保証協会の別枠をうまく活用する方法

 

前回は新型コロナウイルスの影響により、日本経済を支えている中小企業への資金繰り支援策の概要について記載しました。

今回はその中でもセーフティネット保証について詳しくお伝えしたいと思います。

 

セーフティネット保証とは?

経営の安定に支障が生じている中小企業者を、一般保証とは”別枠”の保証の対象とする資金繰り支援制度です。

ざっくりと申し上げると、「非常事態に対応すべき特別融資」といったイメージでいいかと思います。

この”別枠”というのがポイントです。

すでに保証協会付融資を限度額までご利用されている企業でも、既存利用の一般保証枠とは違う枠組みでの捉えとなるため、一般保証枠では保証審査が通らなくても、別枠での申請であれば資金調達の可能性が出てくるというわけです。

※但し必ず利用できるというわけではありません。別枠といえども融資が約束されているものではないのです。あくまでも制度上可能となるだけで、調達した資金がしっかりと返済可能か、といった与信審査はあります。

 

 先ほど記載した通り、このセーフティネット保証は「信用保証協会付融資」といった枠組みになります。

 

信用保証協会とは?

「信用保証協会法」に基づく公的機関であり、事業経営に取組んでいる中小企業が金融機関から事業資金の融資を受けるとき、あるいは資本市場からの事業資金調達を目的として私募債を発行するとき、保証人となって借入れを容易にし、企業の育成を金融の側面から支援する機関です。この信用保証協会が保証してくれる保証制度融資があり、保証制度を利用することで以下のメリットがあります。

 

1.無担保での利用が可能

中小企業が金融機関から資金調達をする場合、担保提供を求められる場合があります。担保として最も一般的なのが不動産です。所有不動産を担保として金融機関に差入れ、その担保価格に見合った金額の融資をうけるといったことはよくあります。

しかし中には創業間もない企業や自社の所有不動産を有していない企業も少なくありません。その場合には保証協会が担保の代わりを果たし金融機関が融資に前向きに取り組みやすいような働きが期待できます。(万一、借入金の返済ができなくなった場合には、保証協会が借主に代わって金融機関へ返済します。このことを代位弁済といいます。代位弁済後は、協会に借入金を返済します)

 

2.短期から長期まで、ニーズに応じた資金調達が可能
1年未満の短期運転資金から、最長20年の設備資金などご希望に応じて選択できます。最近では代表者の連帯保証人を不要とする経営者保証ガイドラインに沿った取り組みや、事業承継に関する制度などもあります。

 

3.さまざまな融資制度のご利用が可能
協会独自の制度だけでなく、東京都・区市町の「制度融資」も利用できます。保証協会に支払う保証料を一部負担してくれたりなどよりお得に活用できる制度融資も多くあります。

 

しかし「いくらでも保証してくれるのか?」というと、青天井に保証ができるわけではありません。1企業に対する保証の限度額は合計で2億8千万円(普通保証2億円、無担保保証8千万円)と原則が定められており、この範囲を上限とし各企業の財務面や事業面を総合的に審査していきます。

東京信用保証協会HP↓

cgc-tokyo.or.jp

 

 

そんな保証協会を活用する、セーフティネット保証には1号から8号まであります。

1号:連鎖倒産防止 (令和2年2月20日更新)
2号:取引先企業のリストラ等の事業活動の制限 (平成31年1月4日更新)
3号:突発的災害(事故等)
4号:突発的災害(自然災害等) (令和2年3月3日更新)
5号:業況の悪化している業種(全国的) (令和元年12月20日更新)
6号:取引金融機関の破綻
7号:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整 (令和元年12月26日更新)
8号:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡

 

今回の新型コロナウイルスの影響で指定されたのが、4号と5号です。

それぞれ申請要件などが異なってきます。

中小企業庁HP↓

 

www.chusho.meti.go.jp

 

4号の申請要件

  • 申請者が、下記の指定を受けた地域において1年間以上継続して事業を行っていること。
  • 災害等の発生に起因して、その事業に係る当該災害等の影響を受けた後、原則として最近1か月間の売上高又は販売数量(建設業にあっては、完成工事高又は受注残高。以下「売上高等」という。)が前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること。

 

5号の申請要件

  • 指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少の中小企業者
  • 指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者

5号についての詳細はここにあります。

https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2014/140303gaiyou.pdf

現時点での指定業種です

https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200303002/20200303002-2.pdf

https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200303002/20200303002-3.pdf

 

 

手続きの流れ

このセーフティネット保証4号および5号は市区町村の認定を受けなければなりません。

  1. まず所在地の市区町村に認定申請を行います。(各市区町村によって書類や認定に要する時間が異なりますので、詳細は所在地の市役所等にお問い合わせ頂くのが確実です。)
  2. 希望する金融機関または最寄りの信用保証協会へ認定書を提出し、保証申し込みをします。

各金融機関にはセーフティネット保証のノウハウがあるため、事前にお付き合いのある金融機関に相談しておくと全体の流れがスムーズにいくかもしれません。

 

まだまだ影響が本格化してくるのはこれからかもしれません。

事前に国の支援策を選択肢に入れておくことで、経営のかじ取りの参考になれば幸いです。

今後も中小企業経営のヒントになるようなことを発信していけたらと思います。

 

新型コロナウイルス感染症の資金繰り支援まとめ

 

世界各国で新型のコロナウイルスが広がっており、日本でも社会活動に影響が出てきています。

そんな中で政府は日本の産業を支える中小企業に対し支援策を打ち出しました。

 

大きな柱は3つです。

  1. 徹底的な資金繰り支援
  2. サプライチェーン・観光業対策
  3. 経営環境の整備

ここではその中でも、1の「徹底的な資金繰り支援」について深堀りして記載していきます。

資金繰り支援策には、さらに主に4つの具体策が打ち出されています。

 

セーフティネット保証4号・5号

セーフティネット保証とは、中小企業信用保険法にて定められている制度です。1号から7号まであり、様々な事象に対応する保証制度となっています。ひと言で表すと「特別な融資制度」というイメージです。

信用保証協会という公益法人と連携して、金融機関が融資を行います。このセーフティネット保証は主に"新規に資金調達を検討する場合"に利用が可能となります。

 

今回のコロナウイルスでは、セーフティネット4号と5号が認定されました。

4号:突発的災害(自然災害等)
自治体からの要請に基づき、別枠(最大2.8億円)で100%保証
 
5号:業況の悪化している業種(全国的)

重大な影響が生じている業種に、別枠(最大2.8億円)で80%保証

 

といった定義がなされています。

それぞれに定義されいている原因(今回であれば新型コロナウイルス)により事業に影響が出ている企業や個人事業主が対象となります。

融資金額の最大2.8億円というのは、信用保証協会へ担保提供をしている、またはこれから担保提供をするというのが前提です。無担保での利用は原則最大8,000万円です。

セーフティネットを利用する場合には、最初に市区町村での認定証が必要となります。認定証の書式は各自治体で異なるようなので、自社の市区町村のHP等をご参考にしてみてください。

 

セーフティネット保証の詳細は中小企業庁のHPを参考にしてください。↓

 

www.chusho.meti.go.jp

 

セーフティネット貸付(要件緩和)

売上高の減少等の程度にかかわらず、今後の影響が見込まれる場合も含めて融資を受けることが可能です。

これも新規調達が主な目的の場合に利用できます。 

 

③衛生環境激変対策特別貸付

一時的な業況悪化等となった旅館業等営業者に、通常と別枠で特別貸付をします。

 

④金融機関等への配慮要請

事業者からの返済緩和要望等への柔軟な対応を要請します。

こちらは新規に資金を調達すという今までの支援策とは異なり、返済緩和(リスケジュール)を金融機関側が受け入れやすくなるといった内容です。

新規に調達するのも方法のひとつ。返済金額の減額をするのも資金調達のひとつの方法であると私は考えています。

 

②、③については、100%日本政府出資の金融機関である日本政策金融公庫が対応しているため、詳細はHPをご覧ください。

 

www.jfc.go.jp

 

①のセーフティネット保証、④の返済緩和については現在お取引のある金融機関にて相談が可能です。

②、③は日本政策金融公庫のみでの対応となります。

 

最初にも書きましたが、セーフティネットは特別な事業が発生したときに利用できる融資制度です。項目番号①のセーフティネット保証については、市区町村の認定証を取得するなど、通常の融資審査よりも手間がかかったり時間を要することもあるかもしれません。

しかしこのセーフティネットが制定されるという背景を考えると、国の「この危機を乗り越える」といった姿勢も見えてきます。そのため各種機関(市・保証協会・公庫・金融機関等)は通常に比べ審査にはスピード感をもって取り組むだろうと考えられます。そのため”多少の書類の多さ”といった煩雑さと”審査スピード”などを勘案すると、該当要件を満たすのであればセーフティネットを利用してみるのもいいのではないかと思います。特に項目番号①のセーフティネット保証については、市区町村の認定証を取得することで、保証協会の一般保証とは別に審査を受けることができます。(いわゆる別枠扱い)

また今回のセーフティネットの優位点の一つは「融資期間を長く設定できる」ことです。

通常金融機関が運転資金を協力する場合は、5年や長くても7年といったケースが多いですが、今回の制度では運転資金でも10年で調達できたりと、返済期間を長く設定することが可能です。返済期間を長く組むメリットは毎月の支払金額が少なくなり、その分資金繰りには優位に働きます。半面、期間が長いと総支払利息は多くなってしまいますので、自社の返済余力や今後の資金繰りを検討したうえで期間は設定していくのが良いでしょう。

 

 

まだまだ影響が計り知れない今回のコロナショック。世界経済にも影を落としつつあります。この危機を乗り越えるためにも、国の支援策として打ち出された支援策を活用してみてはいかがでしょうか。

 

次回は、多くの会社が利用できるセーフティネット保証について詳細に書いていきたいと考えています。