まぐ太の金融と経営の扉

金融や経営に関することを書いていきます

民間金融機関の無利息型融資に変わる新制度「伴走」スタート! その内容とは?

新型コロナ感染症による経済への影響が出ている中で、昨年から始まった民間金融機関による無利息型融資は令和3年3月31日受付分をもって終了しました。しかしながら依然として新型コロナウイルス感染症は事業活動に大きな影響を与えています。

今まで民間金融機関による無利息型融資は保証協会付融資として信用保証協会の保証を受けていました。東京信用保証協会では無利息型融資に続く融資商品として「伴走全国」「伴走対応」「経営サポート(都改サポ感染)」「事業転換・業態転換(事業・業態転換)」をリリースしました。

今回はこの新たな4つのコロナ融資制度から特に利用がしやすいと考える「伴走全国」「伴走対応」について解説していきます。

 伴走全国

融資上限:4,000万円

資金使途:運転・設備(既存債務の借換も可能

期間:10年以内(元金据置は5年以内)

金利:融資期間 3 年以内    1.7%以内
        3年超 5年以内   1.8%以内

        5年超 7年以内   2.0%以内

                             7年超10年以内  2.2%以内

金利については保証協会の保証割合が100%である場合は0.2%下がる可能性あり。

信用保証料なし

セーフティネット4号・5号・危機関連保証に関する市区町村の認定経営行動計画書が必要

 

伴走対応

融資上限:2億4千万円

資金使途:運転・設備(既存債務の借換は不可

期間:10年以内(元金据置は5年以内)

金利:融資期間 3 年以内    1.7%以内
        3年超 5年以内   1.8%以内

        5年超 7年以内   2.0%以内

                             7年超10年以内  2.2%以内

金利については保証協会の保証割合が100%である場合は0.2%下がる可能性あり。

信用保証料4,000万円以下は負担なし

      4,000万円超部分は1/4負担

セーフティネット4号・5号・危機関連保証に関する市区町村の認定経営行動計画書が必要

 

セーフティネットの取得と事業計画書の作成が必要

無利息型のコロナ融資に代わる商品がこの「伴走全国」「伴走対応」です。特徴は保証協会へ支払う信用保証料は国や東京都の全額補助により事業者負担がない、もしくは1/4と負担が少ないことです。融資期間も最長で10年、返済方法についても元金据置が5年まで使用できる点は、無利息型のコロナ融資の内容を引き継いでいるように感じます。

コロナ融資と同じように伴走全国・伴走対応ともに自治体のセーフティネットを取得する必要があります。セーフティネットの概要についてはこちらを参考にしてください。

www.magta.net

www.magta.net

また伴走全国・伴走対応は申請時に「経営行動計画書」という事業計画書の提出が求められます。事業計画書といってもA3で1枚のシンプルなものです。 この計画書も作成しておくと話がスムースかもしれません。

記入例:https://www.cgc-tokyo.or.jp/download/cgc_keieikoudokeikakusho_kinyurei_2021-4.pdf

 

伴走全国と伴走対応の使い分け

 ここまで伴走全国と伴走対応の内容について見てきました。どちらも大きな違いは無いように感じます。伴走全国は融資上限が4,000万円であるため、仮に5,000万円の申請をすると伴走全国で4,000万円、伴走対応1,000万円のように2本立てとなるようです。

伴走対応の商品目的にも「伴走全国の融資限度額の範囲では必要な資金調達額を賄うことができない中小事業者の資金繰りの円滑化を図る」と記載があります。信用保証料の観点からもまずは伴走全国から利用するのがいいのではないかと考えます。

 

企業の思い切った事業再構築を支援! 中小企業等事業再構築促進事業

 

令和2年度3次補正予算において実施が予定されている補助金があります。

その名も「事業再構築補助金

ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業の思い切った事業再構築を支援し、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。

↓↓リーフレット↓↓

https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/jigyo_saikoutiku.pdf?0326

 

 

申請要件

・売上が減っている(申請前の直近6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の合計売上高がコロナ以前の同3ヶ月と比較して10%以上減少)

・事業再構築へ取り組む(事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換)

・認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する(補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3%、グローバルV字回復枠は5%以上増加、または従業員1人あたり付加価値額の年率平均3%、グローバルV字回復枠は5%以上増加の達成を見込む事業計画を策定)

 

付加価値とは?

一般的には「営業利益+減価償却費+人件費」

設備投資を実施すると減価償却費が増加するため、景気回復や新規事業で売上が増加すれば達成できる可能性がある。

 

補助額・補助率

中小企業

・通常枠:補助額100万円〜6,000万円 補助率2/3

・卒業枠:補助額6,000万円〜1億円 補助率2/3

中堅企業

・通常枠:補助額100万円〜8,000万円 補助率2/3

・グローバルV字回復枠:補助額8,000万円超〜1億円 補助率1/2

 

補助対象経費

補助金は基本的に設備投資を対象とするもの。設備費、建物建設費、改修費、撤去費、システム購入費も対象。

新しい事業開始に必要となる研修費、広告宣伝費、販売促進費も対象。

 

事業計画の策定が必要

補助金には審査があります。補助金の審査は事業計画をもとに行われるため、採択されるには合理的で説得力のある事業計画が必要となります。

事業計画は認定経営革新等支援機関と相談しつつ進めていくのがオススメです。事業実施段階でのアドバイスやフォローアップが期待できます。

 

事業計画に含めるべきポイント

・事業内容、強みや弱み、機会や脅威、事業環境、事業再構築の必要性

・事業再構築の具体的内容(製品、サービス、導入する設備など)

・新事業の市場状況、自社の優位性、課題やリスクとその克服方法

・実施体制、スケジュール、資金計画、収益計画

 

事務局HP・公募要領

↓↓事業再構築補助金事務局HP↓↓

 

jigyou-saikouchiku.jp

 

↓↓公募要領↓↓

https://jigyou-saikouchiku.jp/pdf/koubo001.pdf

 

コロナウイルスが依然として猛威を振るっている中で、今後の事業運営について展開をご検討している経営者の方も少なくないのではないかと思います。

さまざまなことにチャレンジしたくても、どうしても先に投資費用が必要となります。そのような場合にはこのような補助金も活用してみてはいかがでしょうか。

 

 

事業引き継ぎ支援センター

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事業承継が企業の課題として増えているなかで、前回は東京都の取り組みでる「地域金融機関による事業承継」をご紹介しました。

 

magutann.hatenablog.com

 

今回は経済産業省が実施している「事業引き継ぎ支援センター」についてご案内します。

 

 

事業引継ぎ支援センターとは

国(経済産業省)が実施している機関で後継者がいない会社を引き継いでくれる会社を探す手伝いをしてくれる機関です。第3者承継支援(M&A)や親族承継、従業員承継の情報提供やアドバイス、各種支援機関の紹介業務を行なっています。特にM&Aの場合には課題の見える化、M&A支援会社や金融機関、専門家(士業等)の紹介を行います。

「企業同士のお見合いの場を提供するような機関」というイメージです。

民間のM&A仲介会社や金融機関では取り組めないような小規模案件や、公平中立な立場からの客観的なアドバイスセカンドオピニオン)が必要な場合にも活用できます。

 

 

事業引継ぎ支援センターの活用方法

当該期間は事業承継対策が未着手の企業でも相談ができます。「事業承継といっても何から始めていいかわからない」や「承継の方法や手続きを知りたい」といった、”事業承継の入口“の相談も受け付けています。

「自社を他の企業へ譲渡や売却をしたい」や「他者を譲受、買収したい」といったM&Aの相談も受けています。事業引継ぎ支援センターは全国48カ所に設置されているため全国のセンターと情報共有が可能です。地域に限定されない情報が手に入るというのも特徴の一つです。

 

 

まとめ

  • 事業引継ぎ支援センターは国が運営する機関で、無料で相談できる
  • 相談内容は事業承継やM&A(売却や買収)など
  • 支援内容は直接支援や支援機関の紹介

 

民間のM&A仲介業者と違って、当該センターが積極的に買収先を探したりすることはないようです。

喫緊ではないが事業承継について漠然とした課題を見える化したり、M&Aの話が出た時のセカンドオピニオンとして活用するのがいいのではないかと思います。

 

経営のバトンタッチってどうするの? 地域金融機関による事業承継促進事業を活用してみては?

最近は人口減少に伴い、事業所の数も減少傾向が続いています。

これに大きな危機感をもっているのが地方銀行や信用金庫等の地域金融機関です。最近は低金利によって本来の金利収入が低下していたり、フィンテック企業の躍進により聖域と言われていた預金や為替による収益も減少しております。この状況で人口減少や事業所減少となってしまうと、地域経済が縮小するどころか成り立たなくなってしまう状況です。

「この状況を放置しておくのはマズい」ということで東京都は「地域金融機関による事業承継促進事業」なるものを開始しました。

 

 

事業の目的

「地域金融機関による事業承継促進事業」は、地域金融機関が事業承継に係る啓発から計画の策定、資金供給までの支援を一気通貫でサポートします。そうすることで、地域経済において大きな役割を果たす中小企業が保有する技術や人材の次世代への引継ぎを促進することを目的としています。

 

事業承継問題

東京都の中小企業数(法人+個人事業主)の数は

2009年:487,729社

2016年:413,408社

となっており、74,321社が減少しています。

平成31年度版中小企業白書付属統計資料より

 

事業承継とは、「現経営者から後継者へ事業のバトンタッチ」を行うことで、企業がこれまで培ってきた様々な財産(人・物・金・知的財産など)を上手に引継ぎ、承継後の経営を安定させるために重要な行為となります。

しかし依然として事業承継が進まないのにはいくつか理由があると考えられています。

 

経営者側の事情

会社の先行きに不安があり、承継に消極的

いつかは必要だが「まだまだできる」と考えており、具体的行動には移していない(創業者に多いケース)

後継者は候補はいるが、まだ任せられない

金融機関に相談すると追加融資が断られるのではないかと心配

事業承継セミナーに行くと、事業存続について取引先等から懐疑的に思われてしまうか心配

後継者候補がいない

 

後継者側の事情

自分から言い出すのは遠慮があり心苦しい

他社に就職していて稼業には戻れない

 

構造的課題

相続税贈与税など税制負担

融資に対して個人保証や個人財産を担保設定している

 

上記以外にも企業によってさまざまな理由があると思います。

よく耳にする「人・物・金」を事業承継に当てはめると「後継者・設備や不動産・資金や自社株式」と考えられます。この部分についてはイメージが持ちやすいかと思います。確かにこの「人・物・金」の承継もとても大切です。

しかしこれらと同じくらい大切な経営資産も存在します。それは「経営理念・特許やノウハウ・熟練工の匠の技・社長の人脈・顧客情報」といった目に見えにくい資産(強み)です。この部分を専門家により「見えにくい資産」を「見える化」するのが本事業の目的の一つです。

 

 

支援イメージ

この事業運営のゴールは事業承継計画の策定とされています。

1企業最大で8回まで、中小企業診断士公認会計士などの専門家を派遣することができます。承継計画策定のなかで、販路拡大や販促支援等の事業承継以外のニーズが高まることも想定し、他の支援機関との連携も図っていきます。

 

支援イメージ

初回:ヒアリングシートをもとに経営全般に冠する課題のヒアリング

2回目:優先順位を決めて方向性を定める

3〜6回目:事業承継計画策定支援実施

7回目:代表者が策定した事業承継計画書の確認

8回目:事業承継計画書の最終決定

 

 

 

活用のメリット

1.会社の5年後、10年後が把握できる

2.将来を見据えた事業承継計画が完成することで、資金調達計画の時期を金融機関と共有できる

3.後継者との時間軸の共有ができる

4.取引先も安心させることができる

5.専門家支援を8回まで無料で受けられる

6.従業員やその家族の将来を一緒に考えることで、従業員満足どが高まる

 

 

事業承継は会社を存続させるためには必ず必要になります。そしてこの準備については、入念に準備していて損はないでしょう。

普段から顧問の税理士等に相談している事業者の方もセカンドオピニオンのような位置付けで、話を聞くだけも新たな発見があるかもしれません。

自身ではなかなか踏み出しきれなかったり、どこから手をつけていいかわからないという方は、この制度を活用してみてはいかがでしょうか。

『財務3表実践活用法』を読みました!感想と活かせそうなポイント!

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「財務に強いビジネスパーソンになりたい!」と思って始めた財務3表シリーズの読み進め。3部作の最終作『財務3表実践活用法』を読み終えました。本作では実践活用法というだけあって、財務諸表を実際の経営に活かす具体的な方法が多く詰まっていました。

今回はその『財務3表実践活用法』を読んだ感想と、活かせそうなポイントをまとめてみました!

過去のシリーズは以下からどうぞ

 

www.magta.net

 

 

www.magta.net

 

 

なぜ読もうと思ったのか

1.財務3表シリーズを2作読んで最後の作品も気になっていた

2.より実務に活かせそうな内容が知りたかった

3.財務3表の実際の活用法を知りたかった

過去の2作『財務3表一体理解法』『財務3表図解分析法』を読んだことで、財務や会計について、以前と比べかなり詳しくなれた気がします。しかし「見て、理解することはできるが、実際にはどう活かしたらいいの?」という疑問もありました。僕が目指すイケリーマンのイメージはバリバリ行動し結果も残していくようなビジネスパーソン。知識を習得することは大事だが、頭でっかちで活かせなくてはもったいない。「せっかく学んだことを活かせるようになりたい!」という願望に答えてくれたのがこの本でした!

 

この本を一言で表すと

「会計技術を駆使してビジネスセンスを磨け」

日本と海外のビジネスエリートを比較すると圧倒的に会計分野における知識量に差があるようです。日本のビジネスパーソンはPL、つまり”売上”と”利益”を見るだけなのに対し、海外のビジネスエリートはPLだけでなくBSやCS見ながら、常に事業全体を視野に入れて仕事をしているようです。

経済が今以上にグローバル化していくことが予想される中で、会計技術を駆使ししてビジネスの現場に活かしていくことが今後のビジネスパーソンには求められていきます。

 

『財務3表実践活用法』ポイント3つ!

  • 予算から事業をコントロールしろ
  • 利益と現金の違いを認識しろ
  • 投資とリターンを常に意識しろ

 

1.予算から事業をコントロールしろ

事業経営には予算策定が必要です。僕の会社でも予算が割り当てられていきますし、予算を策定している会社は少なくないはずです。

なぜ予算が必要なのか?

企業を”生き物”として捉えると、論理だけでは全て証明することができず、予期せぬことも起こります。この変化する複雑系の社会だからこそ目標が必要になります。目標を設定することで方向性を定め、目標との差異が出たらその差異を分析してフィードバック管理を行うことができるようになります。

予算策定のスタートは「最大の制約要因のもとで期待できる売上高はいくらか?」という問いからスタートし下記のように論理的に進めていきます。

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予算をつくり実行すれば何かしらの成果が表れます。この成果は必ず予算とは異なるはずです。そこで「なぜ実績が予算と異なったのか」という差異分析を行います。予算を立てて実行した結果を分析し、フィードバック・コントロールを効かせて軌道修正をします。これがPDCAの実践となります。

 

2.利益と現金の違いを認識しろ

利益とはあくまでも会計上のルールに従って計算された数字でしかありません。そのため赤字だからといいて会社がすぐに倒産してしまうことはなく、永久に資金援助してくれるパトロンがいれば会社が潰れることはありません。会社が倒産するのはキャッシュが回らなくなった時です。現金は動かしようのない現実ですが、利益は会計上のルールで計算された数字でしかないのです。

意図的にこの利益を操作することもできます。例えば売掛金による売上を増やすことで利益を増加せることができますが、その売掛金が本当に発生しているものかどうかは財務諸表からはわかりません。しかし「利益が出ているのにCSの営業キャッシュフローがマイナスになっている」場合などは合理的な理由を確認する必要があります。

全ての取引はいずれ現金勘定となります。現金こそが事実であり実態なのです。

 

3.投資とリターンを常に意識しろ

ビジネスにおいて売上と利益より大切なのが「投資とリターン」です。日々の事業活動と投資活動の違いは、投資は一度意思決定をすると途中での方向転換が困難ということです。だからこそ投資は慎重に行う必要があります。

では投資評価はどのように考えるのでしょうか。当然に投資評価も「投資とリターン」の関係で行うのですが、投資評価の際の「リターン」は利益ではなく元気収支を意味するのが一般的です。それは投資案件のような長い期間の効果を考える場合には、人為的に区切られた会計期間で考えるのではなく現金の動きで考えても良いのです(但し法人税は考慮する必要もあります)。

実際に投資評価を行う際に「現在価値」という考えが重要になります。現在価値とは「現在の100万円の価値は、1年後の100万円の価値とは違う」ということです。

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現在手元に100万円があり、それを定期預金に預けたとします。年利が1%だとすると、現在の100万円は1年後の105万円と同等の価値があることになります。同じように1年後の100万円を現在の価値に直すと95万2千円となります。

これから具体的な投資案件の比較をしていきます

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どの案も初年度に100万円の投資をするため、年度「0」が-100となっています。

A案:毎年5万円ずつ入金。5年目に105万円が入金

B案:毎年25万円の入金が5年間継続。

C案:1年目に50万円、2年目に25万円というように期が早いうちに比較的大きなリターンが期待できるもの。

これら3つの投資案件はどれも100万円を投資して、5年間合計で125万円のリターンがあります。これらの投資案件をどのように評価していくべきか見ていきましょう。

多くの企業が投資評価に使っている「回収期間法」(この例の場合、100万円の投資を回収するのにどのくらいの期間を要するかというもの。回収期間が短いほど高効率とされる)で見てみると、B,Cは4年。Aは5年となります。よってA案よりもB,C案の方が効率が良いと言えます。

では回収期間が同じB案とC案は同じ価値の投資案件と言えるのでしょうか。ここで上記で説明した「現在価値」を使います。この現在価値という考え方を使った投資評価の方法にIRR(Internal Rate of Return 日本語で内部収益率)という考え方があります。IRRは投資額とその投資に伴うリターンの現在価値の総額が同じになる利率を計算して求めるもので、投資案件の利率のようなものです。

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 IRRを用いればリターンの総額も回数期間も同じだった投資案件BとCですが、実はC案の方が効率の良い投資であるということがわかります。

 

 

感想

財務3表シリーズを読んでみて、読む前と後では財務諸表に対する考えが大きく変わりました。以前は「売り上げはこの程度で、利益はこのくらいか」といったように財務諸表が表すほんの一部しか見ていませんでしたが、このシリーズを通してPLだけでなくBS、CSの大切さや示している数字の意味が理解できるようになりました。

また本書ではM&Aにおける企業価値の算出方法など、注目されている金融分野での解説もあり今後さらに活用する場面が増えそうです。

あとは行動するのみ!しっかりと実践で活かして自分の力にできるよう頑張っていきます!

 

 

内容

「理解」から「分析」、そして「実践活用」へ。累計50万部突破、「財務3表シリーズ」の第3弾がついに刊行! ! 決算書は「企業経営の成績書」といわれるが、実は過去を振り返るだけでなく、ビジネスの構造や将来を考える材料としても使える。経営者の意思をつかむ、事業再生を考える、予算をコントロールする……。ビジネスのあらゆる場面で財務3表が活用できて、あなたの会社の事業で即、使える! ビジネスマン必読。

Amazonより

 

著者紹介

國貞/克則
1961年生まれ。83年東北大学工学部卒業後、神戸製鋼所入社。海外プラント輸出、人事などを経て、2001年に独立。経営コンサルティングを行いながら、会計研修のオリジナル・プログラムを開発した

 Amazonより

『財務3表図解分析法』を読みました! 感想と活かせそうなポイント!

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先日『財務3表一体理解法』に関する記事を投稿させていただきました。読んでくださった方々は本当にありがとうございます。この財務3表シリーズは、『財務3表一体理解法』『財務3表図解分析法』『財務3表実践活用法』の3冊でひとつとなっています。

まだシリーズ1作目の『財務3表一体理解法』をお読みになっていない方は、こちらが参考になれば幸いです。

 

www.magta.net

 

今回は第2作目となる『財務3表図解分析法』を読みましたので、何か皆様の参考になればと思い感想等を交えながら書いていきます。

 

 

なぜ読もうと思ったのか?

  1. 『財務3表一体理解法』が面白く勉強になったから
  2. 有名企業を題材にしていてイメージが掴みたかった。
  3. より踏み込んだ財務の勉強がしたかった。

前作『財務3表一体理解法』を読んでからより財務というものに興味を持つようになりました。その理由はなにより前作が面白く勉強になったからです。そのまま「もっと勉強したい」と興味を持つようになり本書を手に取りました。本書ではトヨタソフトバンクといった超有名企業を事例に取り上げており、普段テレビCMのイメージだけではわからない、数字で捉えた実態の姿を学ぶことができました。「図解分析」ということもあり、脳内で決算数字を図解に変換しイメージすることが以前よりスムーズになった気がします。

 

この本を一言であらわすと?

「デジタルデータをアナログ変換しろ」

人間は数字の羅列であるデジタルデータより、データを図にしたアナログデータの方が、沢山の情報を瞬時に直感的に読み取ることができます。財務にしても財務分析指標(流動比率固定長期適合率など)の計算式を文字列で羅列して書かれても、特に馴染みのない人は理解するのが大変ですが、図で見ることでその意味を瞬時に理解することができます。

 

『財務3表図解分析法』ポイント3つ!

  • 「デュポン・モデル」をベースに考えろ
  • キャッシュフロー分析から経営戦略を読み取れ
  • 財務諸表の限界を知っておけ

 

1.「デュポン・モデル」をベースに考えろ

社長には、事業全体のプロセスを効率よく運営することが求められます。これを評価する指標がROEと言われるものです。事業全体の効率を表すROEの数値は、財務レバレッジ総資本回転率当期純利益というそれぞれのフェーズの分析結果を掛け合わせることで決まります。

そのROEと関係しているのが「デュポン・モデル」です。デュポン・モデルとは1920年代にアメリカの化学会社DuPontが導入した業績管理手法の考え方です。ROEを算出するためのそれぞれのフェーズの数値を意識して見ていくことで、分析対象会社がどのフェーズをいかに効率よく経営しているかがわかります。

事業全体を「資産を取得するため資金を調達する」「資産を売上に変える」「売上を利益に変える」の3つのフェーズに分割します。

「資産を取得するために資金を調達する」とは資本金などの自己資本のほかに借入金などの他人資本をどのくらいの割合で使用しているかということを分析します。これは「財務レバレッジ」という指標で分析できます。

財務レバレッジ=総資本÷自己資本です。

「資産を売上に変える」とは調達した資産をいかに効率よく使って売上を上げているかということで「総資本回転率」という指標で分析できます。

総資本回転率=売上高÷総資本です。

「売上を利益に変える」とは売上高をいかに効率よく利益に変えているかということで「当期純利益率」という指標で判断できます。

当期純利益率=当期純利益÷売上高×100で求められます。

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ROE、財務レバレッジ総資本回転率当期純利益率をチェックすることでザックリと会社の状態が分析できるのです。

ここまでのプロセスをPLとBSの図を用いて表すと、資本主義社会の仕組みが見えてきます。

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自己資本で事業を始めるのではなく、金融機関から借入等を行い資本を集めるとします。このように自己資本に対しどのくらいの割合で他人資本を使っているのかを表すのが財務レバレッジです。

②次に調達した資産を使って売り上げを上げます。この総資本と売上高の比が総資本回転率です。

③この売上高を当期純利益に変えていくのが当期純利益率です。

最終的にはこの当期純利益がBSの利益剰余金に積み上がり株主の自己資本を増やしていくことになります。つまり資本主義社会とは、株主の資本金を元手に事業が始まり、他人の資本を使い事業を行い、その事業によって生み出された利益が株主の自己資本を増やしていくという構造なのです。

事業全体の効率を評価するROEは、「財務レバレッジ」「総資本回転率」「当期純利益率」の掛け算で算出できます。

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ここまで説明してきた事業の3つのフェーズを見ていき分析対象会社がどのフェーズをいかに効率よく経営しているかを分析することが大切になります。各プロセスを評価する場合に一般的に総資本回転率当期純利益率は高い方がいいとされますが、財務レバレッジだけは高いからいい、低いから悪いということではありません。財務レバレッジは良しあしではなく、事業経営の姿勢や方向性を表している指標なのです。

 

2.キャッシュフロー分析から経営戦略を読み取れ

キャッシュフロー計算書(CS)は毎年会社が何からキャッシュ(現金)を得て、それを何に使ったかが一目瞭然になる表です。CSを見れば会社がどんな状況にあるか、経営者が何を考えているかがわかります。

CSは現金の出入りを表す収支計算書です。それが「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」の3つに分かれています。従ってこれら3つの欄がそれぞれ、現金が増えてる場合は(+)と現金が減っている場合(-)に分かれます。この(+)と(-)の組み合わせは下記図のように8通りのパターンがあります。

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下の図は三菱自動車の2016年3月期におけるCSの投資CFと財務CFの抜粋です。

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表の上の方にある「有形固定資産の取得による支出」の欄を見てください。

前期:856億円、当期:690億円です。

当社は毎年600億円〜900億円程度の設備投資を行なっております。ただ当期は「有形固定資産の取得による支出」とほぼ同額の「有形固定資産の売却による収入」が640億円計上されており、投資CFの総額は例年に比べ少なくなっています。

財務CFに目を向けてみると、短期借入金や長期借入金の返済で多額の支出となっています。過去5年間のCSを見てもほぼ一貫して借入期の返済を続けています。その結果が下の図です。

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三菱自動車は借入金を減らし、自己資本比率の高い財務的に安定した企業にすることが経営上の大きな方針であったことが分かります。

 

3.財務諸表の限界を知っておけ

私たち会計の素人が財務諸表から読み取れることには限界があります。例えば大企業の各事業部がどういう戦略で戦っているか、これから戦おうとしているのかはわかりません。

また対象企業の将来を予測することもできません。2000年代初頭のスバルとシャープの評価は、現在とは真逆でした。自動車業界一人負けのスバルに対し、電機業界トップクラスの営業利益率を誇る超優良企業のシャープでした。その状況が今では現時点では完全に逆転しています。しかしこれから両社がどうなっていくかは誰にもわかりません。

不正会計や粉飾を財務諸表から見抜くのも困難です。こういう場合は財務諸表になる前の、数字の認識や評価の前提によって行われます。例えば在庫や売掛金架空積み増しによる利益操作などは、在庫や売掛金が本当に存在するかどうかを確かめようとすると、実際の在庫や資料を確認したり売掛先企業に直接確認しなくてはなりません。

財務諸表とは「企業の全てがわか」わけではありません。そのような前提に立ったうえで財務諸表を見てみると、対象企業に関して知らなかった情報が想像以上に得られることもあるのです。「どのようなことで稼いでいるのか」「現在の財務状態は良好なのか」「経営者は何を考えて経営をしているのか」など企業に対して漠然と持っているイメージだけではわからない、企業経営に関する具体的な情報が財務諸表にから読み取れるのです。

 

感想

 前回読んだ『財務3表一体理解法』に続き読んだ本作でしたが、実際の企業を多くモデルにしていることもあり、読み進めていくうちにその企業にたいするイメージが変わりました。

BSの形をよりビジュアル的に捉えやすくなっており、より財務を図で考えられるようになったと感じます。またCSについての説明も前作より多く盛り込まれており、前作ではなかなかイメージの難しかった部分についても理解を深めることができました。

引き続き3作目を読んでいる最中なので、読み終えたらこちらにまとめていきたいと思います。

 

内容

ベストセラー『財務3表一体分析法』の全面改訂版。
財務3表を図解したオリジナル図はそのままだが、
取り上げる会社を見直し、数字は最新決算に一新!
財務データの中でも、キャッシュフロー計算書の読み解き方が出色。
財務3表を図式化すれば、経営状態が手に取るようにわかる!ベストセラー『財務3表一体分析法』を全面改訂。貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)をオリジナル図にし、キャッシュフロー計算書(CS)から経営者の意思を読む。「期間比較」や「同業他社比較」など多角的な分析法を紹介、グローバル時代に合わせて超巨大多国籍企業も俎上に載せる。『増補改訂財務3表一体理解法』との併読がおすすめ。初読者も既読者も、そしてすべてのビジネスマン必読!

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著者紹介

國貞/克則
1961年岡山県生まれ。東北大学機械工学科卒業後、神戸製鋼所入社。海外プラント建設事業部、人事部、鉄鋼海外事業企画部、建設機械事業部などで業務に従事。1996年米国クレアモント大学ピーター・ドラッカー経営大学院でMBA取得。2001年ボナ・ヴィータコーポレーションを設立。日経ビジネススクールなどで公開セミナーやeラーニングの講座を担当している

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『財務3表一体理解法』を読みました。 感想と活かせそうなポイント!

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最近ニュース見ていると、企業決算のニュースが特に目につきます。「○○会社は増収増益見通し!」「○○会社 300人の人員削減」など。企業決算はインターネットでも簡単に見れますし、最近では個人の投資なども増えてきました。それに伴って企業決算を見る機会も増えてきたのではないでしょうか。

今や「会計」とは身近な存在。経理部門でなくてもビジネスパーソンは決算書を見たり財務分析を行ったりする必要もあるかと思います。実際私も決算書を見たりする機会があり、「もっと財務に詳しくなりたい!」「もっと数字に強くなりたい!」と思うことが多々あります。

今回は私が入社3年目くらいの時に会社の研修で紹介された「財務3表一体理解法」を読んでみましたので、ここで皆様にもご案内できたらと思います。

この本を題材にした社内研修で私自身、具体的に頭の中に入ってきたことを強烈に覚えています。財務や会計に対する苦手意識を克服することができた一冊です。

 

なぜ読もうと思ったのか

  1. 財務がわかるビジネスパーソンになりたい
  2. 数字に強くなりたい
  3. 同僚や先輩と差をつけたい

先日入社当初の研修で「財務や会計には強いほうがいい」と誰かに言われたのを漠然と思い出しました。もともと企業財務については興味があり、その時の研修で今回この本を読んでみようと思いました。自分の中で一つ核となる強みを身に着けることで、自分に自信を持ったり、まわりと差別化を図っていきたいと思ったのが、この本を手に取ったきっかけです。

 

 

この本を一言で表すと

「5つのつながりを意識しろ」

財務諸表には「基本財務3表」(損益計算書貸借対照表キャッシュフロー計算書)があります。この基本財務3表の5つのつながりを捉えることで会計の全体像と仕組みがわかりやすく入ってきます。

 

 

『財務3表一体理解法』ポイント3つ

  1. 頭と手を動かせ
  2. 個別のケーススタディで学べ
  3. コラムを読め

 

頭と手を動かせ

第2章では実際に読者が会社を設立したと仮定し、商流の流れに沿って話が進みます。その際に会計上起こるイベントが財務諸表にどのような影響を与えるのか、実際に書き込みながら進みます。そうすることでより当事者意識を持つことができ、すっと頭に入ってきます。

 

1.「5つのつながり」を意識する

財務諸表を読むには、各資料の「つながり」を意識することが大切です。以下そのつながりのポイント。

A.損益計算書(以下PL)の当期純利益は、貸借対照表(以下BS)の純資産の部の繰越利益剰余金が一致する

B.BSの右側合計と左側合計が一致する

C.直接法キャッシュフロー計算書(以下CS)の一番下の「現金の残高」とBSの「現金」は一致する

D.間接法CSの一番上とPLの税引前当期純利益と一致する

 E.間接法CSの営業キャッシュフロー(以下CF)と直接法CSの営業CFは一致する

 

2.手を動かす

第2章では読者が設立した会社の取引毎に一つ一つ財務諸表を作っていきます。巻末に空欄の財務諸表があり書きながら進めていきます。少し面倒にも感じるかもしれませんが、書きながら進めていく方が理解度も良くなるのでお勧めです!

 

 

個別のケースステディで学べ

第3章では会計基準が大きく変わった2000年~2005年後の新し会計基準について詳しく説明があります。内容としては「退職給付会計」「時価会計」「税効果会計」「減損会計」「自己株式の取得」です。これらについては第2章で自らが設立した会社の商流の流れを継続して展開されるため理解しやすいです。

第4章では連結会計国際会計基準IFRS)、純資産についても説明が個別のケーススタディで学べます。

 

1.税効果会計とは?

 財務諸表は会計の会計の原則に従い作られますが、税金は税法に従って計算されます。会計基準と税法の基準は異なるのです。

会計:収益-費用=利益

税法:益金-損金=課税所得

この費用損金は似ていますが、認識の範囲やタイミングが異なるようです。これにより税金の計算と会計が相違することがあります。そこで税法による実際の税額表記を残したまま、会計と整合性がとれた税額も同時に表記したのが税効果会計です。会計ではPLの法人税等の下に「法人税等調整額」という項目を設け、BSには「繰延税金資産」を設けます。税効果会計には現金を伴う動きが発生しないためCSに動きはありません。

 

2.IFRSって何が違うの?

IFRSとは”イファース”、”アイフォース”と呼ばれ国際会計基準国際財務報告基準のことです。会計の専門家でない人が財務諸表を理解・利用するにあたり、国際会計基準においても本書で説明されている会計の全体像と基本的な仕組みに大きな差はありません。しかしいくつか異なる点もあるため以下に挙げていきます。

貸借対照表:個別決算では「退職給付に係る調整累計額」の扱いが異なります。連結では大差ありません。

損益計算書:日本の会計基準には「その他包括利益計算書」部分がありません。連結では大差ありません。

包括利益とは資本取引を除く純資産の部の変動要因全てのことを指します。国際会計基準包括利益を重視するのは、会社の事業利益だけでなく会社の真の価値を評価していこうという考え方によるものなのです。

 

3.純資産の部の”準備金”って何?

BSの純資産の部には「株主資本」「その他の包括利益累計額」「新株予約権」「非支配株主持分」に分けられます。ここではその中でも特に「株主資本」の資本準備金利益準備金の”準備金”について見ていきます。

株主資本は「資本金」「準備金」「その他剰余金」に大きく分けることができます。この中で株主資本を理解するための大きな鍵となるのが、「資本準備金」と「利益準備金」の2つの”準備金”です。

これらは法律で積み立てることが求められています。株主から注入される資本と、会社が稼ぎ出した留保利益は明確に区分され、資本の中からの積み立てが資本準備金で、留保利益の中の積み立てが利益準備金です。

資本準備金

債権者側から見る資本金と株主側からみる資本金は意味合いが違ってきます。債権者は資本金を見てその会社が債権者を保護する余裕がどれくらいあるのかを見るのに対し、株主は出資額に対し資本金に算入する部分が少ないほど払い戻しや配当に対する制限が少なくなります。そのような利害関係の狭間で生まれたのが準備金です。会社法では出仕額の2分の1を超えない額を資本準備金として計上できます。準備金は将来の欠損に備えるために準備しているものという考えになります。

利益準備金

資本準備金に対し利益準備金には債権者の保護という明確な目的があります。会社法では配当する場合に配当額の10分の1を利益準備金として積み立てなければなりません(例外あり)。会社が稼ぎ出した留保利益は本来配当可能であるべきですが、この留保利益の一部を利益準備金として配当できないものとし、株主資本の維持あるいは減少を防ぎ、債権者の保護を図っているのです。

 

 

コラムを読め

『財務3表一体理解法』には11のコラムがあります。財務諸表を一体でりかいするという本命の目的のほかに、このコラムでは「事業主目線」のアドバイスがちりばめられているように感じます。特に経営層にいる方や個人で事業を営んでいる人たちには、より参考となるものもあるかもしれません。

 

1.経営感覚を高めるPLの見方

1日3万円の研修を受講したとします。この3万円の受講料を賄うためには会社はいったいいくらの売上を上げる必要があるでしょうか。仮に荒利率が10%だとすると30万円の売上が必要です。つまりこの研修費用は30万円の売上に匹敵するのです。このようにPLを下からの見ていく癖をつけていくとコスト感覚・経営感覚が磨かれます。

 

2.「人間」は財務諸表には出てこない

完成度の高い財務3表にも表れないものがあります。それは「人間」と「知恵」の価値です。人間の価値に関して財務3表に表れるのは給料や退職金の金額だけです。人間の価値はそれだけで決まるものではありません。

また特許権などの知的財産も財務3表にはでてきません。BSの無形固定資産の項目に特許の取得費用は計上されますが、本当の価値とは言えません。

この見方をすると企業とは「製造ノウハウ」や「営業ノウハウ」などがたくさん詰まっていますが財務諸表上には出てきません。将来の成長を診断するうえで欠かせない判断材料である社員の価値や知的財産の価値は財務諸表では計れないのです。

 

3.勘定合って銭足らず

「利益」 と「現金」は別物です。PL上で利益計上しているから必ず社内に現金があるとは限りません。

PLはその期の正しい営業活動を説明するために、売掛金や買掛金のように現金の動きのない売上高や仕入高が計上されるからです。

またPLには企業がお金を集めてくる借入金や資本金などといった現金の動きは一切現れません。これらによりPLの利益は現金とは一切関係のない数字になっているのです

 

感想

この本を読み進めてくなかで、財務3表のつながりの理解が深まったような気がします。個別の取引について考えてみると、その後の財務3表の影響を想定して考えられるようになった気がします。

この財務3表シリーズには2冊あるみたいなのでそちらも読んでみようと思います。

金融機関職員の入社当初の方や、財務に苦手意識のある中小企業経営層や事業主の方にもお勧めの一冊です!

 

内容

簿記を勉強しなくても会計がわかる!
シリーズ累計60万部突破の大ヒット作が内容を大幅に増強して帰ってきた。
刊行後約10年の会計実務の変化に対応したほか、3表を見開き2ページにおさめるなどビジュアル力も大アップ。
初読者も既読者も必読!

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著者紹介

國貞/克則
1961年岡山県生まれ。東北大学機械工学科卒業後、神戸製鋼所入社。海外プラント建設事業部、人事部、鉄鋼海外事業企画部、建設機械事業部などで業務に従事。1996年米国クレアモント大学ピーター・ドラッカー経営大学院でMBA取得。2001年ボナ・ヴィータコーポレーションを設立。日経ビジネススクールなどで公開セミナーやeラーニングの講座を担当している

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