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事業承継やコンプライアンス経営のためのチェックシートがあった! 日弁連のチェックシートを活用してみては。

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2020年9月2日の日経新聞に、「事業承継に関する弁護士の活用」についての記事が載っていました。

 日本は将来的に事業所の数が減少していくことが懸念されています。その原因の一つに「後継者不在」があります。後継者が不在の理由は”子供がいない”、”任せられる人がいない”、”手を挙げる人がいない”など様々です。

しかし「事業承継」という大イベントには色々なトラブルが発生することもあるようです。

日経の記事では

弁護士はトラブル後にやむを得ず頼る相手というイメージが強いと思いますが、もめ事が起きる前の相談も受け入れています。

 とあり、日弁連の「事業承継のトラブル・チェックシート」を紹介していました。

 

 

日弁連とは

まず日弁連とは公式HPによると、

 日弁連は、弁護士等の指導、連絡および監督に関する事務を行い、弁護士の使命である、人権擁護と社会正義を実現するため、様々な活動を行っています。

とあり弁護士や弁護士会などから構成され、様々な活動を行っています。

その日弁連が、中小企業者向けに事業承継に潜む法的トラブルに関するチェックリストを作成しています。

 企業・個人事業者のみなさまにとって、「弁護士」とは、どんな存在でしょうか?どのようなイメージをお持ちでしょうか?
おそらく、「自分たちには関係がない」、「弁護士は裁判沙汰にならないと関係ない」、「費用が高い」、「面倒である」というのが本音でしょう。

ただ、われわれ弁護士が、日々、企業・個人事業者のみなさまから相談を受け、法的トラブルを解決していくものには、「もっと早く弁護士が関与していれば、こんな法的トラブルに巻き込まれることはなかったのではないか」との感想を抱くことが少なくありません。
また、弁護士というと「裁判」と思われがちですが、ビジネスの日常に潜む法的問題について相談することもできますし、何より,コンプライアンスを踏まえた経営戦略は後々のビジネスの成功へと繋がります。

そこで、日弁連では、企業・個人事業者のみなさまが、経営に関する法的トラブルの可能性に気付く「きっかけ」として、中小企業のためのチェックシートを作成いたしました。ぜひ、ご活用ください。

*1

 

チェックシートについて

日弁連が公表しているチェックシートは3つあります。

コンプライアンス・チェックシートは、企業経営をするにあたっての「内部紛争を防止するための会社のルール」や「従業員との労働紛争を防止するための職場のルール」など7つの大項目に分けられています。企業経営をするうえでの一つの指針としていくことで色々な法的トラブルを防止することができます。

事業承継トラブル・チェックシート(経営者向け)では、事業承継を行うにあたり法的トラブルが起きないよう、現在の経営者がチェックしておくべき項目がまとめられています。「今までの会社経営が要因となる場合」「相続や贈与が要因となる場合」など12の大項目から作成されており、10個以上当てはまるようなら弁護士のお話を聞くことをお勧めしています。

事業承継トラブル・チェックシート(後継者向け)では、事業を引き継ぐにあたり事前に確認しておくべき11の大項目が後継者目線で書かれています。こちらも10個以上当てはまるようなら弁護士のお話を聞くことをお勧めしています。

3つのチェックシートには全て実際の具体例と、その具体例に対する法的トラブルの可能性、解説が付けられており、気になる部分だけ読むのでも十分参考になるのではないかと思います。

 

事業は廃業等を行わない限りどこかの時点では承継が必要になってきます。今は具体的なことが何も決まっていなくても、「どんな対策が必要なのか」「どのようなことを整備しておけばいいのか」などを知っておくだけでも違うのではないでしょうか。いつか訪れる時への備えとして、参考になれば幸いです。

今後裁判や訴訟も身近になっていく可能性もあります。事業承継という企業や経営者、後継者だけでなく従業員など、その企業に関わる全ての人たちにとっての大切な取り組みを法的トラブルで台無しにしないためにも、本チェックシートを参考にし活用してみてはいかがでしょうか。

 

www.nichibenren.or.jp

*1:日弁連公式HPより