まぐ太の金融と経営の扉

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条件の緩和! セーフティネットの要件緩和が実施

  

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新型コロナウイルスの感染が国内で広がっています。44の都道府県で感染が確認され、日に日に感染者が増加傾向です。

 

企業への支援策も毎日のように新しい情報が出ています。

今回は以前ご紹介した、「セーフティネット保証」の該当要件が緩和されたことについて書いていきます。

まずセーフティネット保証とは、経営の安定に支障をきたしている中小企業が市町村の認定を受けることで、一般保証とは別枠で利用できる保証制度です。

詳細は以前の記事をご覧いただければ幸いです。

 

www.magta.net

 

今回のコロナウイルスではセーフティネット保証4号と5号が認定されています。それぞれ該当要件が異なり、どちらかの要件に当てはまればセーフティネット保証として一般保証枠とは別に保証協会付融資を申請することが可能となります。

今回はこの該当要件の”緩和”が行われました。

当初の該当要件では、「実際に売り上げが落ちているのに使えない!」といった個人事業主や中小企業経営者の人がいても、要件に該当せず使えませんでした。せっかく制度を作っても肝心の「必要な人」に資金が供給されないのであれば意味がありません。

そんな事象を回避し、本当に必要な人こそ利用できるようにと今回の該当要件緩和が行われました。 

では緩和内容を見ていきます。

 

緩和内容

1.対象事業者

  • 創業間もない方でも業歴が3か月以上あればOK
  • 前年以降に店舗増加等で単純な売上比較だけでは認定が困難でもOK

上記の内容に当てはまればセーフティネット保証に申請できるようになりました。今までは「創業1年以上」でないと申請ができなかったり、「昨年に店舗を増やしたから売上が直近月までは上がっている。でも今月からぱったり…」といった事業者でも申請ができるように間口が広がりました。

2.認定基準

認定基準についても、緩和がされより多くの事業者が利用できるようになりました。

 

緩和前

「直近1ヶ月の売上高等と前年の同月を比較+その後2ヶ月間(見込み)を含む合計3ヶ月の売上高等と前年の同期間を比較」

この条件を実例に例えると、2020年3月の売上と2019年3月の売上を比較し、

20%以上下落→セーフティネット4号

5%以上下落→セーフティネット5号

”かつ”今後の2020年4月5月を含めた3月~5月の売上見通しが、2019年3月~5月の売上見通しよりも20%以上の下落もしくは5%以上の下落がセーフティネット保証の該当要件でした。

これでは前年同月が一過性の要因により売上が低い場合などでは該当要件を満たすことができませんでした。

しかし今回の該当要件緩和により、単に前年同月比と比較するのではなくコロナウイルスの影響により業況が悪化しているのであれば取り扱いができるように、認定基準が3つ定められ、3つのうちの1つでも該当しているようであればセーフティネット保証が申請できるようになりました。

 

緩和後

  • 直近1ヶ月の売上高等と、直近1ヶ月を含む最近3ヶ月間の平均売上高等を比較
  • 直近1ヶ月の売上高等と、令和元年12月の売上高等を比較+その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高等と、令和元年12月の売上高等の3倍を比較
  • 直近1ヶ月の売上高等と、令和元年10~12月の平均売上高等を比較+その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高等と令和元年10~12月の3ヶ月を比較

上記3点のうちどれかにでも当てはまるようならば、セーフティネット保証の対象となるため、今まで対象とならなかった方々については、改めて該当要件に当てはまるか精査して頂き再度検討してみてはいかがでしょうか。

 

実際に私の知り合いの企業でも、昨年に創業したことで、創業当初は取引先も少なく売上も少なかったため、緩和前の条件には当てはまりませんでした。しかしこのセーフティネット保証の条件緩和が行われたことで、事業が軌道に乗り始めた昨年12月との比較ができるようになり、セーフティネット保証の該当要件を満たすことができました。現在は取引金融機関と打ち合わせを行っています。

 

他にも「先月まではコロナウイルスの影響がなく、前期比以上の業績で推移しているが、今月は急に業績が落ちている。そのためセーフティネットの該当要件に当てはまらない」といった企業や「昨年の同月はたまたま仕事が薄くて売上が上がっていない」といった企業でも、緩和後の該当要件に当てはまる可能性があるかもしれません。

 

セーフティネットのご活用を検討している方は、緩和後の該当要件もよく照らし合わせて頂くと、うまく活用ができるようになるかもしれません。

 

市区町村によっては、HPに緩和後の申請書が準備できていないところもあります。

その際には担当部署に問い合わせをすると、柔軟に対応してくれます。

 

 

↓下記サイトは経済産業省の参考資料です。↓ 

https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200311007/20200311007-4.pdf

 

経済産業省HP↓

 

www.meti.go.jp